薬剤師の求人・転職の現状

医薬分業の進展により薬局などで薬剤師の需要が増えているが、2009年の登録販売者制度の導入により第二類および第三類一般用医薬品を販売するために登録販売者がいれば薬剤師の常駐が不要となったため、医薬分業率は70~80%で頭打ちになるとの予想から薬剤師の需要についても年々縮小していくのではないかとの意見もある。日本では人口1000人あたりの薬剤師数は1.21と、先進国中では最も高くなっており、厚生労働省の薬剤師問題検討会が2002年にとりまとめた報告書「薬剤師需給の予測について」によれば、早ければ2006年には需要は頭打ちとなり、2037年には薬剤師は36万人となると予想されるが、需要は23万人として13万人の余剰が出ると予測している。

さらに追い打ちをかけるように、2003年には就実大学と九州保健福祉大学が約20年ぶりに薬学部を開設、その後も学生数を確保するため薬学部を新設する大学が相次ぎ、2007年までの4年間で26大学・学部が新設された。その結果、2007年の薬学科の入学定員は12010人となり、5年間で5000人以上増加している。今後の薬剤師の余剰人員が増加することが予測されるにもかかわらず、薬学部の新設が現在も続いている。厚生労働省では新たに「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」を組織しているが、こうした現状に関係者から懸念が表明されている。

薬剤師の業務

薬剤師法第1条には、「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどる」とされている。医師の指示のもとに業務を行うコ・メディカルとしての側面をもちながらも、他の医療資格と異なっており、活躍の場が医療機関だけではないのが特徴でもある。 特に医薬品に関する業務においては、開発・製造から、流通、販売におけるまでほぼすべての分野で関与しており、薬剤師免許を活用できる場所が多種多様である。医薬品以外でも世界各国推進されているセルフメディケーションに関与できる唯一の国家資格者としての責任を負っている。

薬局

薬局において処方箋に基づき調剤などを行なう。この他にも一般用医薬品や医療機器、日用雑貨品の販売を行う。近年では医薬分業の進展に伴い、薬局数・薬局従事薬剤師数ともに増加傾向にある。

ドラッグストア薬局への求人・転職

ドラッグストアは医薬品のほかにも健康食品、サプリメント、介護用品や血圧計・血糖測定器などの医療機器など幅広い物品を取り扱っており、幅広い商品知識と接客技能が要求される職種である。さらに調剤室を併設したものも増加しており、薬剤師に求められる業務範囲は拡大する一方である。

調剤専門薬局

在宅患者向けに無菌室を備えた薬局も増えつつあるなど、調剤も幅が広がっている。

漢方薬局への求人・転職

本来薬剤師は単独では診療行為は行えないが、患者の訴えに応じて調合した漢方薬・西洋薬を薬局製造販売医薬品として製造販売することができる。

病院

病院内で処方箋に基づき調剤を行なう。薬局と異なり、注射剤などの調剤も多い。このほか、感染制御チーム、治験審査委員会、栄養サポートチームなどのメンバーとしての活動を行なうこともある。一定数の専任薬剤師を配置しなければ原則として病院を開設することはできない。改正医療法等により病院等には医薬品の適正使用のために医薬品安全管理責任者の設置が義務づけられている。

薬剤師の給与・年収

薬剤師の給料や年収は業種によって大きく異なっている。一般的には「病院<薬局(調剤薬局)<ドラッグストア」の順で給料・年収が高くなっている。給料は業界の薬剤師の求人動向とも関連している。製薬企業に勤めた場合、初任給は低いが生涯賃金は医療機関に勤めるより高くなっている。

病院の給料・年収

初任給で月20~25万円、年収で300~350万円が相場となっている。 薬剤部長(薬局長)になると病院の規模・法人にもよるが、それなりの給料がでるところもある。 公務員の給料に準じている病院の生涯年収は民間の病院に比べて高い。

調剤薬局への求人・転職

初任給で月22~30万円、年収で350~400万円が相場となっている。 管理薬剤師の年収は500~600万円が相場である。 大手調剤薬局チェーンの給料はやや低めである。薬剤師が不足している地域や、中小の調剤薬局は比較的高めである。

ドラッグストア

初任給で月25~35万円、年収で350~450万円が相場となっている。 薬剤師手当が5~10万円支給されるため調剤薬局より給料が高い傾向がある。

製薬企業

初任給で月22万円前後、年収で300~300万円前半が相場となっている。 生涯年収は薬剤師の中でも他の業界と比べても高い。

薬剤師の求人や転職